音楽にうっとり -rapt in music-

音楽の話題を中心に綴ります。映画やドラマなどの話題も…

Pat Methenyの新作『From This Place』は傑作です

昨年2019年11月に、アルバムの1曲目の収録曲"America Undefined"がYouTubeで公開されました。この曲を聴き、何やら凄いものを感じ、私の中でこのアルバム『From This Place』を購入することが、何の迷いもなく自然と決まりました。発売日である2020年2月21日のかなり前に日本盤を予約し購入しました。

因みに紙ジャケで、日本盤ボーナストラックはありません。

 

私とパット・メセニー

私は、パット・メセニー(Pat Metheny)、及びパット・メセニー・グループ(Pat Metheny Group)の作品は持っていたり持っていなかったりします。従って「あの作品に比べて」などのようなことは書きません。(割と持っている方だとは思いますが)
マニアではないけれど、大好きなギタリストの一人です。
感想を書くに当たって解説は読んでいません。

 
アルバムの感想

はっきり言って傑作です。
先述の1曲目"America Undefined"は13分22秒にも及ぶ大作で、一曲の中で様々な展開があります。特に、後半はSEが入り、ハーモニーには緊張感が漂います。終盤では堰を切ったようにダイナミックに展開し、カタルシスを感じさせます。曲の長さを感じさせません。

 

アルバム全体でも一曲ごとの長さが長く、唯一のボーカル曲"From This Place"を除き、6分程度以上です。10曲収録で合計76分以上というCD限界の長さであるにも関わらず、その長さを全く感じさせません。それどころか、聴き終わると再び聴きたくなります。心地よくて延々と聴いていられるのです。

 

ビートの効いたような曲はありません。暗いアルバムでもありません。
パット・メセニーの柔らかいギターの他、基本的にピアノ、ベース、ドラムス、ストリングスなどの温かいアコースティックな音色で包まれた、落ち着いた穏やかな作品です。
BGMとして流すのも心地よいですが、どうしても音楽に引き込まれてしまうでしょう。

 

ボーカルではミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)が参加しています。

因みに、"Sixty-Six"は彼の有名なあの曲を思い起こさせます。

 

楽曲の完成度の高さ、編曲の完成度の高さ、演奏の素晴らしさ、録音の素晴らしさ、バラエティに富んだ曲調、あらゆる要素が揃っています。このような大作を製作する過程を想像すると、とてつもない時間と労力が費やされているのだろうと思います。
「こんな傑作を聴かないのは損してる」と言いたくなるアルバムです。

フロム・ディス・プレイス

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